こんにちは、ベーシストのどーのです。
最近では安価な多弦ベースも多く販売されている、4弦ベースの音域よりも低い音がよくつかわれるといった理由から多弦ベースを使うプレイヤーさんが増えています。
5弦ベース、6弦ベースについて
今回の投稿では5弦ベースや6弦ベースといった多弦べースについてまとめてみます。
ベースについての投稿ですが、ベーシスト以外の方にも多弦ベースについて知って頂くよいきっかけになると思います。
私自身も多弦ベースを長らく使っているのですが、実際に使ってみた上での
- そもそも多弦ベースとは
- 多弦ベースを使ってみたメリット
- 多弦ベースを使ってみたデメリット
- 多弦ベースを選ぶにあたって気を付けるポイント
というテーマでお話をしてみます。
最後まで読んで頂くことで5弦ベース6弦ベースについて理解して頂けるかと思います。
そもそも多弦ベースとはどういったものか
まず最初に多弦ベースとは何かという事を解説します。
通常のエレキベース(4弦)の音域
そもそもエレキベースの基本は4弦から成り立ってます。
レギュラーチューニングでは低い弦をE(ミ)、高い弦をG(ソ)の音程でチューニングします。
5弦ベース・6弦ベースはそこに対して弦を増やすことでより広い音域をカバーするものです。
5弦ベース。6弦ベースの音域
- 4弦ベースに対して低い弦を1本追加したものが5弦ベース
- 6弦ベースは5弦ベースに更に高い弦を追加したもの
ベースは性質上すべての弦が2音半違いでチューニングされています。
つまり一番低い弦は4弦ベースの一番太い弦の開放よりも5フレット分低い音程でチューニングします。追加した低音弦をB(シ)の音程でチューニングすることからLow-B弦(ローB弦)と呼びます。
そして、6弦ベースに張る高音弦は4弦ベースの一番細い弦の開放よりも5フレット分高い音程でチューニングします。こちらはC(ド)の音でチューニングすることはらHi-C弦(ハイC弦)と呼ばれます。
特殊なパターンで5弦ベースを用意する際に、通常の4弦ベースに対してHi-C弦を張った状態の5弦を使うプレイヤーさんもいらっしゃいます。
今回の記事で紹介している主流の紹介であり、必ずしもこうでなければならないというものではありません。5弦だからといってLowB弦を張らなければならないわけではないので、選択肢の参考にしてください。
多弦ベースを使ってみたメリット
次に多弦ベースを使ったメリットを2つご紹介します。
ローB弦があることによってチューニング手間が減る
5弦ベース・6弦ベースを使う1点目のメリットは曲間のチューニング変更の手間が減る点です。
ベースを演奏するうえでしばしば4弦ベースの音域よりも低い音を求められることがあります。特に半音下げやE弦を全音下げるドロップDといったチューニングは頻出です。
ある曲はレギュラーチューニングで演奏したいが、別の曲はチューニングを下げて演奏したいという場合、曲の間にチューニングの時間・手間をとる必要が出てきます。
こうした場合に、より低い音が出るLowB弦があればいちいちチューニングすることなく対応することが出来ます。これは時間短縮および手間の軽減となる非常に大きなメリットです。
左手を動かすことなく広い音域をカバー出来る
次に2点目のメリットですが、1つのポジションでより広い音域をカバーできるところが挙げられます。
例えば、4弦ベースだと、左手0フレットから4フレットの間では、4弦フレットのE(ミ)の音程から1オクターブ上のB(シ)の音程まで19フレット分の音域をカバーすることが出来ます。
これに対して6弦ベースを使用した場合では、6弦0フレットのB(シ)の音程から2オクターブ上のE(ミ)の音程までをカバーすることが出来ます。
この音程は29フレット分にわたり、6弦ベースを使うと4弦ベースに比べて圧倒的に広い音域をカバーすることが出来ます。
左手のポジションを変えることなく(=ポジション移動を少なく)演奏することは、それだけ疲れなくなったりミスらなくなったりとメリットが大きくあります。
多弦ベースを使ってみたデメリット
次に多弦ベースを使ったデメリットを3つご紹介します。
弦を間違えるリスクが高まる
1点目のデメリットは弦を間違えるリスクが増えるという点です。
4弦ベースでの演奏に慣れている状態で多弦ベースを持つと、左手右手の感覚が狂ってしまって間違えることが良くあります。
特に視覚的な情報は問題が大きく、目で見てどこを押さえているのか分からなくなることは良くあります。
LowBが増えた時のミスももちろんですが、HiC弦が増えた時の影響は非常に大きく、慣れるのに時間を要します。
多弦ベースを使うことでケガのリスクが高まる(特に6弦ベース)
2点目のデメリットはケガをしやすくなるという事です。
多弦ベースになるとネックも太くなり、本体の重量も重たくなります。そのため腰に負担がかかったり、左手に負担がかかるフォームで演奏してしまって腰や手を痛めてしまう可能性があります。
特に左手についてはネックが太くなった影響で握り方が不自然な状態になってし待った結果、手首や親指のケガを引き起こす可能性があります。これはフォームの改善によって回避することが出来ますので、痛みを感じる場合は早めに対処するのをお勧めします。
弦購入の費用が高くなる
3点目のデメリットは弦を交換するために4弦ベースに比べてコストが高くなります。
多弦ベースになるとそれだけ弦の価格が高くなります。4弦のベース弦を購入する場合と比較すると、1,000円から2,000円ほど高くなる場合が多く見られます。
特に複数本のベースを持っていると弦代が結構な負担となります。
多弦ベースを選ぶにあたって気を付けるポイント
次に多弦ベースを選ぶにあたって気を付けるポイントを3点ご紹介します。
まんべんなく同じ感覚で演奏出来るか
まず1点目は全弦のバランスについて注意するという事です。
5弦や6弦のベースとなるとテンションや弾き心地や出音といった面で、4弦ベースに比べてバランスが崩れがちな傾向にあります。
そんな中でも優れた製作家の作ったベースは5弦や6弦を弾いても4弦から持ち替えて違和感なく演奏することが出来ます。持ち替えて弾きづらさを感じない。同じ感覚で演奏出来る楽器を選ぶようにしましょう。
ローB弦・ハイC弦の音質について
次にB弦・G弦の音質に注意します。
弾き心地が同じでも出音がまったく違ってしまうと非常に使いづらい楽器となってしまいます。
LowB弦だけやけに低音が広がったり、HiC弦がやけに細い音になってしまったりもよくある事象です。
E弦やG弦の延長上にあるような感覚で使える音がもっとも望ましいです。こうした楽器を探しましょう!
ピックアップの違い
最後に自分の経験から少しピックアップの話をしてみます。皆さんには当てはまらないかもしれませんが、中には同じように悩む方がいらっしゃると思うのでご紹介します。
5弦や6弦ベースになると、4弦に比べてデュアルコイル・ハムバッカーのピックアップを搭載した楽器が多くなります。
個人的な感覚だと、シングルピックアップだとより切れ味が鋭く、デュアルコイルのピックアップだとより太く音が出るように感じています。ピックアップの計上で大きく音質が変わってくるので、気を付けないと特にスラップするプレイヤーにとってはイメージ通りの音が出ないという状態を引き起こす可能性があります。
私は初心者の頃に、この差をうまく理解できずになかなか思った音作りが出来ないという経験をしたことがあります。新しい楽器を選ぶ際には自分の演奏する楽器がシングルピックアップなのか。デュアルコイルなのかを意識しておくべきだと思います。
まとめ
今回の投稿では始めて多弦ベースについて触れてみました。
10年~20年前に比べて低価格帯の多弦ベースも増えてきているため、多弦ベースは非常に身近なものになりました。
多くの選択肢のなかからより良いものを選ぶために、
- そもそも多弦ベースとは
- 多弦ベースを使ってみたメリット
- 多弦ベースを使ってみたデメリット
- 多弦ベースを選ぶにあたって気を付けるポイント
というポイントを紹介してみました。
比較的安価な多弦ベースが増えて来てはいますが、そもそも楽器は安いものではありません。より良い楽器を選べるようにこれらのポイントを是非参考にしてください。
多弦ベースについての解説を動画でチェックする
同様の内容を動画でも紹介しています。
ご希望の方はこちらからチェックください。