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セッションで初心者に勧められる”4C”と”潜む罠”[CissyStrut,Chameleon,Chicken,Cantaloupe Island]

4Cの罠

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こんにちは、ベーシストのどーのです。

セッション初心者にお勧めされる定番曲について

これまでにもブログに度々掲載して来ているのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、ジャムセッションでは定番曲を演奏することが多いものです。

とはいえ、セッション定番曲と一言に言ってもその中には何十もの楽曲が挙げられているわけです。

参考記事:ジャムセッションの定番曲について

こうして多くの楽曲があるため、「初心者は4C(よんしー)と呼ばれる楽曲を覚えれば良い」といった声がしばしば上がります。

セッションの4Cとは

さてでは、この4Cとは何を指すのか。

これらは、楽曲の頭文字がCから始まる4曲のことを指します。

具体的には

  • Cissy Strut / Meters
  • Chameleon / Herbie Hancock
  • Cantaloupe Island / Herbie Hancock
  • The Chicken / Pee Wee Ellis

の4曲を指します。

この4曲はセッション曲として有名だったり、曲中に出てくるコードが少ないためにお勧めされる楽曲となっています。

また、多くの方がカバーされていたりもするので、聞いたことがあるという方が多いこともセッション曲として定着している理由の一つかもしれません。

セッションの4Cの罠

たしかに超頻出楽曲であるこれらを覚えるのはセッションに慣れ親しむために非常に良い手段ではありますが、この楽曲のうちの多くには罠が潜んでいます。

それぞれの楽曲にフォーカスして取り扱ってみます。

Cissy Strut/ Meters

1曲目はニューオーリンズ出身のファンクバンドであるMeters(ミーターズ)の楽曲のCissy Strut(シシーストラット)です。

4曲のうちでこの曲だけが大きな罠を含んでいない「C」の楽曲になります。

この曲は曲中にコードがC7しか出てこないため、初心者でも非常に演奏しやすい楽曲となっています。

セッションの場ではテーマを各パートでユニゾンして演奏することも多いので、テーマを覚えてしまえばどこでも演奏しやすいおすすめの曲です。

Cissy Strutの譜面や、より詳細な解説については以下の記事を参考にしてください。

Chameleon

2曲目はシカゴ出身のジャズピアニスト、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)Chameleon(カメレオン)です。

この楽曲もコードに着目すると「B♭m7」と「E7」という2つのコードしか出現しないため非常に演奏しやすい楽曲です。

しかしながら、この楽曲には罠が2つあります。

1つ目の罠は、演奏者によって曲のサイズがよく変わるということです。

この曲のおおまかな構成としては「A⇒B⇒キメ」を繰り返します。私の経験上、多くの場合は「A(8小節)⇒B(小節)⇒キメ」と演奏されることが多いのですが、テーマを演奏するプレイヤーによってはAやBのサイズがもっと長くなることがあります。

そのため、合図が出るのを確認したり、空気を読んで演奏することが強く求められます。これは初心者プレイヤーにとって非常に難しいものです。私の開催している初心者セッションでも「1.2.3.4!」とカウントをとってからキメに入るなどのフォローを積極的に行っています。

慣れないうちは、口頭でサイズの確認を行うのが安心でしょう。

次に2つ目の罠について。
2つ目の罠は先にも挙げたキメについてです。このキメの部分はキメ入りから全部で4小節になります。

しかしながら、やっかいなことにこのキメの最後の音が2小節目の途中で終わります。

そのため最後の音の始まりから次のAパートまでには「1/2小節 + 2小節」という間があります。画像で確認頂けるとよくわかるかと思います。
カメレオンキメ

ここについてもしっかりと確認しておかないとAに戻ることが出来ずにぐずってしまうことがよく見られます。こちらについてもしっかりと確認した上で演奏してみましょう。

Chameleonの譜面や、より詳細な解説については以下の記事を参考にしてください。

Cantaloupe Island

3曲目もジャズピアニストHerbie Hancock(ハービー・ハンコック)の楽曲で、Cantaloupe Island(カンタロープアイランド)です。

この楽曲もコードに着目すると「Fm7」「Db7」「Dm7」という3つのコードしか出現しない楽曲です。

しかしながらこの曲については、音使いもサイズも難しいところがあります。音使いについて考えればこの曲は「Fm7」と「D♭7-Dm7」の間で転調していると考えることが出来ます。そのため、コード一発で考えると音がぶつかってしまう場面が見られます。
この解説については話始めると少し長くなるのでここでは割愛します。

音使い以上に罠になってくるポイントは曲のサイズについてです。

この曲は「Fm7(4小節)⇒D♭7(4小節)⇒Dm7(4小節)⇒Fm7(4小節)」の16小節を繰り返す構成となっています。

問題になってくるのは、1-4小節目と、13-16小節目にそれぞれ「Fm7」のコードが続くことです。このため、繰り返しで見ると「Fm7を8小節連続で」演奏する必要があるのですが、ここを4小節演奏して次の「D♭7」に進行してしまうミスが多発します。

とくにソロに入るとサイズを見失ってしまうケースがよく見られますので、冷静に把握できるように努めましょう。

Cantaloupe Islandの譜面や、より詳細な解説については以下の記事を参考にしてください。

The Chicken

4曲目はPee Wee Ellis(ピーイーエリス)というJames Brownバンドに居たSaxプレイヤーによる楽曲で、The Chicken(ザ・チキン)です。

この曲はジャズファンクセッションの定番曲=チキンといわしめる程には有名な楽曲です。

しかしながら、コードワークが非常に難しく初心者にとって自由に演奏することが非常に難しい楽曲です。コードに対してのアプローチが求められるため、自由に演奏するためにはある程度のスキルが求められます。

楽曲をしっかり理解するための解説はまた別の機会に書き記したいと思います。

この曲についても、3曲目に紹介したCantaloupe Islandと同じ罠が潜んでいます。それは16小節の最初の4小節と最後の4小節がいずれもB♭7で終わるという点です。

このためThe Chickenにおいても、キメの後にB♭7を4小節演奏した後で次のコードであるE♭7に進行してしまうミスが多発します。こちらについても演奏前・演奏中にしっかりと気を付けながら演奏することを心がけましょう。

The Chickenの譜面や、より詳細な解説については以下の記事を参考にしてください。

失敗したって問題ない場所を選んでどんどん失敗してみよう

ここまでにまとめた通り、セッションの超定番曲と呼ばれる「4C」にもたくさんの罠が潜んでいます。

いずれの罠もセッションプレイヤーの方であれば一度は経験されたことがあるものでしょう。

セッション初心者の頃は「間違える=絶対悪」だと考えてしまいがちですが、どう頑張ったって失敗する時には失敗してしまいます。

そのため、この演奏中の間違いについては仕方なく、「間違えていることに気付く能力」や「間違えた状態から復帰する能力」がより必要となります。

こうした能力を養うためにはたくさんの失敗を重ねることが一番だと思ってます。

もちろん積極的に失敗することが完全に良いことだという極論ではありませんが、失敗を恐れずにチャレンジを繰り返す。その結果として多くの失敗を経験するということについてはまったく問題ないことだと考えています。

なので、今回紹介したような罠を念頭において、失敗を恐れずにチャレンジすることを強くお勧めします。

こうした経験を積むためにもHOWジャム主催の初心者セッションや、紹介している初心者にもやさしいセッションにどんどん足を運んで下さい。途中で割愛した音楽理論の解説についても1曲につき2時間をかけて解説する楽曲アナライズ・音楽理論講座を開設していますのでよろしければご活用ください。

そして、みんなで一緒にセッションを楽しめるようになりましょう。読者の皆様とお会いできることを楽しみにしています。

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